藤本すすむブログ「100万回生きたねこ」

秋田、男鹿の旅  泣ぐ子はいねが〜  なまはげ伝説

             高さ9.99メートルのなまはげ立像

                    赤神神社 五社堂
 
 6月初旬、なまはげ伝説の地、秋田県男鹿半島の赤神神社・五
社堂を訪ねた。
 999段の石段を上ると、忘れられた空間にひっそり佇むように
五つの古びた社がある。鬱蒼とした緑の中で、雨を気にして帰り
を急ぐ中年男性に会う。「こんにちは」と声をかけると、「ここ
が、なまはげ発祥の地なのさ」と、長々と秋田弁でその由来を話
してくれるのだった。

            なまはげ伝説

 紀元前100年ころ、不老不死の薬草を求めて中国からやってき
た漢の武帝は5匹の鬼を家来として連れてきて、こき使っていた。
 ある年の正月15日、武帝はこの鬼どもに、「この日だけは村里
に出て自由勝手に欲しいものを求めてよい」という許しを出した。

 さあ喜んだ鬼ども。さっそく村に降りて畑作物や家畜から美し
い娘たちまでさらう始末。こまりはてた村人たちは皆で考えて、
鬼どもに賭けを申し入れた。

 「海辺から本山の頂上まで、一晩で、しかも一番鶏が鳴く前に、
千段の石段を築くことができたら、毎年一人ずつ娘を差し出そう」。
鬼どもが日暮れを待って石段造りにとりかかると、あれよあれよと
いう間に築かれてゆく。

 あわてた村人たちは、鶏の鳴き真似のうまい人に頼んで、千段
まであと一段というところで、「コケコッコー」とやってもらった。
驚いた鬼ども。あと一段で負けた悔しさに、側の千年杉を引き抜い
て真っ逆さまに投げつけ大地に突き刺すと、武帝のもとへ帰ってい
った。それからというもの、再び村に降りて来ることはなくなった
という。

 こんな伝説だった。その鬼が「なまはげ」となり、今でも毎年
大晦日にやってくる。
「悪い子はいねが〜」
「泣ぐ子はいねが〜」
「怠け者はいねが〜」

 
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