2015.05.15 Friday
台北の旅 日本に一番近い国
士林の夜市
お茶屋にて
台湾は日本に一番近い国かもしれない。地理的な意味でなく、食
べ物や文化において。そんな感じがした。
日清戦争(1894〜1895年)で清国に勝利した日本は、1945年
までの50年間、台湾を植民地とし、日本語教育をおこなった。
教育制度も日本の制度が導入され、現在も世界では珍しい4月新
学期なのだそうだ。
現在の台湾の国語は、北京語だが、中国で現在使われている簡体
字(略字)ではなく、旧来の漢字である。
看板などの文字を見てるだけでは、ほとんど日本にいるようだ。
台湾料理はおいしいと聞いていたが、なるほど屋台で食べた料理
も薄味で違和感無くおいしく食べることができた。
地下鉄を乗るときのマナーもとてもよい。列に割り込むことなく、
整然と並ぶ。横から割り込んだ訳ではないが、エレベーターに乗
るときに、駅の係員に一列に並ぶよう私が注意されたほどだ。
日本人観光客は年間70万人くらいだという。旅の途上で会った日
本の若い女性二人と話したら、「温泉にいきました〜」と楽しげ
だった。気軽に行ける隣国なのだろう。
台湾の人たちの平均月収は8万円ほどで、ここ数年上ってないと
いう。IT産業が盛んなこの国で、若い人たちがオーストラリア
に出稼ぎに行ってることが、社会問題になっているという。
日本が台湾と国交が無いということは、驚くべき事実である。中
国、台湾、アメリカ、日本の戦後の国際情勢は、そんな状況を生
み出している。
屋台はアジアの食文化である。台湾では、共稼ぎが一般で、夕食
は外で済ますことが多いという。屋台で楽しげに食事をしている
人たちが目立つわけである。
お茶の文化もまた日本との近さを感じさせる。お茶屋では、お
茶の説明より、背後にあった書聖・王義之の「蘭亭序」が目に留
まる。国立故宮博物院で、王義之の書に出会えるはずだ。