(八木鼻、古民家カフェ・伝七茶屋 9月21日)
前日午前に「小林ハル資料展のオープニングイベント」に出演
し、午後は還暦祝い同窓会で歌い、そのまま1次会、2次会、3次
会まで呑み続けた。
だいぶ抑えて呑み、日本酒は遠慮して焼酎にしていたので朝の
目覚めはすっきり。ホテルの窓から晴れ渡った秋空の下、弥彦山
と国上山が大きく目の前に見えた。
9時ころホテル出発。4人で乗る車は、稲刈り真っ最中の田んぼ
を、揺れるコスモスを見ながら、八木鼻に向け走る。
古民家カフェ・伝七茶屋に到着すると、オーナーの由郎さんや
スタッフが笑顔で迎えてくれた。玄関には今回のポスターが何枚
も貼られ、バイオリンのみゆきちゃんが感激の声を上げる。
先週、チェンバロのライブがあったそうだが、歌のライブは初
めて。7月初めにオープンしたばかりの店である。
午後の部を2時から45分2ステージ歌う。高校の同窓会に出席し
ていた人の顔も数人見えた。今回歌う「本寺小路エレジー」の作詞
者で90歳になるという長井さんとは初対面。新潟市内から来られた
方もおり、親戚や本家の家族も駆け付けてくれていたのにはびっく
り。
そのおばあちゃんは「進君は中学の時から見てねけど、元気もら
いましたてー」と笑顔で帰られた。
夜の部を6時から、再び45分2ステージ。夜の部はお客さんが少な
かったがスタッフの家族も集まってくれ、昼とはまた違った雰囲気で
歌えた。歌声や楽器の音が、木造家屋の天井に吸い込まれてゆくよう
な響きだ。
伝七茶屋で歌うために今回準備した「村居偶成」は予想以上に、地
元の人たちに喜んでもらえたようだった。故郷の自然を愛する歌であ
る。
2部が終わり、すぐに近くの「いい湯らてい」でひと風呂。帰ると
打ち上げの準備ができていた。地元の料理や刺身がテーブルに処せま
しと並べられ、スパークリングワインを何杯も飲んだ。
打ち上げの途中で、一人の女性が入ってきた。妹の高校時代の親友
だという。小学校の校長をしてる人で、熱弁をふるっていろいろ話し
ていた。妹からの知らせに飛んできたのだという。
ライブに間に合わなかったその人のため、「星めぐりの歌」をバイ
オリンを入れて1曲歌う。
「藤本さんのコンサートをぜひ小学校でやりましょう!」
しおらしく涙を浮かべ拭き去った後に、力強くひとこと。
川の流れる音を聞き、暗い田舎の夜空を見上げ、タバコを一服し、
1日目を終えた。