<原宿・トルコ大使館で>
FMたちかわの「明朗とK子のトークルーム・今週の話題曲コーナー」に出演。
今週は、毎日そのコーナーで、『越後望郷』が流れている。
今日はスタジオでの生演奏。6月に出演し『イスタンブール』を歌ったときは、
一人だったが、今回はギターの幡手さんと一緒に演奏した。
狭いスタジオのマイクのある机の前に、対角線状に二人座り演奏した。お互い
のギターの音がよく聞こえず、いつものライブのときと感じが違う。
それでも、生の声を届けようと、熱唱した。どんな風に聞こえたのだろうか。
トークの打ち合わせは特にしていなかったので、
「藤本さん、故郷にいたときに、何かロマンスはあったのですか?」
と切り出されたときは、(ほう、そっちにきたか)という感じで、
「恋多き少年でしたから…」
と、予想もしていない会話になっていった。それが、生番組の面白いところだ。
「ドロドロした歌もあるんですか」との質問に、幡手さんがすぐさま
「はい、そりゃ、もうありますよ」
おそらく『黒髪ゆらせた風』を想定したのだろう。
「男にも惚れっぽいです」私はそんな言葉も口にしてしまったが、確かに、そん
な面がなければ、あえて歌う必要はないなと我ながら思ったのだった。
番組が終わり、タバコを一服し、幡手さんの車で原宿のトルコ大使館に向かう。
雲ひとつない空。陽射しが暑いほどだった。高速道路がすいていたので、40分
くらいで到着。
トルコの手芸オヤの先生トウルキャン先生の来日歓迎会。トルコの手芸に興味
のありそうな人たち、200名ほどが来ていた。
会場は、大理石の応接の間。ゲスト出演という形で、トルコ関係の歌を4曲、自前
のPAで歌った。FMたちかわでの生音と全く違い反響がよく、歌っていて、とても
気持ちいい。会場の照明も明るく、目の前にずらりと人がいて、時々視線を合わせ
ながら歌う。
うなづきながら聴いている人、「何、この人」という感じの人もいて面白い。
トウルキャン先生(すてきな女性)には、この6月、ベイパザルで会っていた。
録音が完了したばかりの、トルコ関係の歌4曲を入れたCDを、そのときプレゼント
した。歓迎会が終わり、先生と立ち話。
「あのCDを友達に聞いてもらっています。みんなとてもすばらしいと言ってます
よ」と握手をしてくれた。トルコの学生にも、1枚プレゼントしてきたのだが、あとで
その学生から「みんなで、まわして聞いてます」という言葉も。
そんな時、CDを作る意味を再認識するのだ。
トルコ大使館へ行ったのは今回で4度目。最初は、トルコ共和国建国の日のパ
ーティー。2度目は「トルコ狂乱」という本の日本語訳完成のパーティー。そして先
日、ある人のコンサートで。
最初に行ったときから、ここで『イスタンブール』を歌いたいなと思っていた。
何でも思ってみるものである。その想いが、今日実現したのだから。