藤本すすむブログ「100万回生きたねこ」

鄙願のねこ


 久々のふらねこだ。
おととい、新しいCDの全11曲のレコーディングが、ようやく終わった。
昨日は、はっぽんのライブ。肉体も、声もかなり疲れ気味だったが、無事
終えて、今日は仕事帰りの夕方の風が、秋風のように、ここちよかった。


 さて、やっと一段落のねこである。
今回のレコーディング曲の中に、「100万回生きたねこ・2008」が、ある。
アレンジと楽器編成、歌いかたも少し変え,新生の「ねこ」誕生。
 「ふらねこ」も、何度も生まれ変わり、生き返ればいいのだと思ってい
る。振り返りつつ、一歩一歩前へのぶらぶら歩きである。

 レコーデングのある日、荻窪のスタジオの近くで、ゲストで朗読してい
ただいた萩田さん、見学に来ていただいた富所さんと日本酒の店へ行った。
三人とも新潟出身で、2年前「越後望郷ライブ」をやったメンバーである。
店には、全く聴いたことのない各地の地酒がずらり。店主もたまたま新潟
出身の方で、いろいろ新潟の酒の話をした後で、新潟は村上の酒を勧めて
くれた。それが大吟醸「鄙願(ひがん)」

 淡麗辛口のすっきりした味も良かったうえ、酒の名前に惹かれ、一升瓶
一本を買い求めて帰った。
 「鄙」という漢字は、「ひなびた、田舎じみた、つまらない」と、どち
らかといえば、あまりいい意味ではないかも知れないが、越後タイプの味
と、ある書家によって書かれたラベルが、意味に奥行きと力強さを与えて
いる。「鄙びた願い」が、「つつましく自己を生きたい」という意味合い
があるようで気に入った。

 「鄙願」を呑んで、ふらねこは、また歩きだすのだった。

     
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