藤本すすむブログ「100万回生きたねこ」

岬に立っていた年がゆく

<ポルトガル、ロカ岬にて>

 岬に立っていたような年が行く
 ここで行き止まりだろうか
 目の前の遥かな海に希望はあるだろうか
 そんな想いを危なっかしく胸に忍ばせ
この一年
 日常の仕事をあくせくこなし
 歌を歌い、旅をし、
 卓球をしていたような気がする

 「ふるさとだろうか あの星だろうか 私に一番遠いのは
  ふるさとだろうか 青春だろうか 私に一番遠いのは」
           ナーズム・ヒクメット『雪のブナ林』

 この詩を歌ったことで やっと 
50才代の憂鬱のような 更年期障害のような
 もやもやしたものとの距離感がつかめた
 何もが まだ遥か遠いものであると

 それらをしっかり認識できれば
 目の前の海は 希望といっていいだろう

 明日から年始にかけ奈良へ行く
日本の歴史の故郷 奈良
 シルクロードの東の終着点 奈良
 11月に一泊し駆け足で奈良をまわり
 正月にもう一度ゆっくり訪ねようと決めていた

 ふらりふらりと新年を 奈良から歩き出そう

 
 
 

 

 
 

 
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懐古する時代

<エーゲ海の夕日:トルコ>

 映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』を映画館で見た。
前作は、友達からDVDを借り、家でソファーに寝そべって見たが、
最後の方で涙が流れてしまった。今回の続編でも涙が熱くこみ上げ、
目からダラダラだった。

 今年は1月の「不二家」事件から始まり、企業・官庁の不正事件、
殺伐とした殺人事件がニュースで目立った年だった。
 誰もが「なんという時代」「なんという日本」を感じざるを得ない
だろう。
 
 でも思うのだ。「三丁目の夕日」のように、身の回りには、熱い想
いの「偽」ではい純な世界が一杯あるのだと。
 映画監督のように、そんな世界を自分が心のスクリーンに映し出そ
うとするかどうかなのだと。
 芥川賞をねらおうとする主人公の「茶川」のように、必死で書こう
とするかどうかなのだと。

 そんなことを考えながら映画を見ていた。しっかり時代を、自分を
懐古せよと。
「茶川」が書いた小説のタイトルが『踊り子』。私は学生時代に少し
出会いがあり、詩画集を作ってプレゼントした踊り子Mさんを思い出
したのである。川崎の空に消えた涙とともに。




 
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最後のライブもトルコの風が

<はっぽんライブ>

 今年最後のライブ。トルコからの留学生、セルマさんに『イスタン
ブール』をトルコ語で朗読してもらった。

10月のトルコの建国記念日にトルコ大使館でパーティーがあったとき、
5月のトルコ・アクヒサールで通訳などのお手伝いをして戴いたアンカ
ラ大学の留学生と再会した。
 「是非、家で歓迎会をやりましょう」と、私は4人の留学生に声をかけ、
先週、このうちの2人と、知人をホームパーティーにお誘いした。
今日のライブにも来てくれると言うので、トルコ語での朗読をお願いした
ら、嬉しそうに承諾してくれたのだった。

 セルマさんがボリビアの留学生Nさんを連れてきてくれ、またトルコか
らの留学生K君やポルトガルの旅でご一緒したH夫妻も見え、開演前から
和やかな雰囲気となった。

 1部でゲスト出演のセルマさんの朗読を入れたり、華岡君のフルートで
日本の歌「月の砂漠」など3曲を外国人にプレゼントするなどしたため、
1部は不覚にも長々80分ほどになってしまった。今日はMCも長くなって
しまった。

 「イスタンブール」は、情景が浮かんできてとてもいいですね、とKが
言ってくれた。地方に住み2回しかイスタンブールに行ったことのないK君
にとっても「旅人なら誰もがあこがれの都」なのだろう。

 「来年もトルコへ行きましょう」と声をかけてくださった文化交流協会会
長さんの言葉に、私は「ぜひ」とうなずいた。
今年最後のライブも無事終わった。トルコの風が吹いている。

| - | 00:42 | comments(0) | trackbacks(0)
絵手紙が届く

<Y君からの絵手紙>

 Y君から絵手紙が届く。

  顔を見上げてみれば そこには
  見わたす限りに 金色の稲穂の海
  天高く うろこ雲
  遥か彼方に 男体山
  今 … 生きている
  何がなくても 
  それだけで いいじゃないか
                文面より

 葉脈や、葉の彩り、細密な花。金木犀のの香りがする。
きっと充実した日々をすごしていることだろう。
一枚のはがきをずっと見ていても飽きないのは、学生時代
からの彼との付き合いを思い出すからだろう。
| - | 01:02 | comments(0) | trackbacks(0)
卓球Rock 再生か

<小平オープン団体戦:小平市民体育館>

 今年最後の卓球の試合は、小平オープン団体戦。
国立卓連チームで臨んだ。予選リーグを2位で上がり、決勝トーナメ
ント1回戦で敗退。

 今年の卓球は不作だった。練習不足は正直な結果を残すものだ。
8月の試合で足をつったのも、今年の練習不足、運動不足を象徴して
いた。
 それでも今日は、体が軽く、ボールへの反応も結構よく、自分なり
に試合を楽しめた。来年につながるプレーができたと思えた。

 ドライブを何度か空振りした。そのときの状況がいつも同じなのだ。
少し打つ方向を考えたとき必ず空振りしていた。
 考えてから、打つ動作に行く神経の伝達に明らかに時間がかかって
いるような感覚だ。頭と体がずれている。
 「これが老いというものか」と一人で感心していた。

 今日は、来年の卓球につながる再生の日と思い、打ち上げで、焼酎
イモロックをしこたま呑んだ。
| - | 00:48 | comments(0) | trackbacks(0)
女泣かせるのは おまえの仕業か/詩 『 おまえは確か 』

<トルコ:カッパドキヤ>

「35本目の焼きとりの駅」歌詞カードより。
このホームページに未掲載の詩を、何篇か紹介したこのシリーズは、
これでおしまい。

        おまえは確か
     作詩・作曲 藤本すすむ

    久しぶりだね どこを旅してた
    昔のように 仲良くやろうぜ
    やっぱりおまえも 相変わらずだ

    おまえが出て行って 歌うことも忘れた
    枕元からはノートと酒が消えた
    寝息をたてて 女が横にいた

    女泣かせるのは おまえの仕業か
    男堕とすのも おまえの仕業か
    愛しく思うのも 傷つけてしまうのも

    まるで夜の海に 呑みこまれたような
    怖い夢から覚めた 深い闇の仲
    黒いマントを付けた おまえが見えた

    久しぶりだね どこを旅してた
    昔のように 仲良くやろうぜ
    おまえは確か 『淋しさ』という奴
| - | 06:12 | comments(0) | trackbacks(0)
ここは嘘街、涙街 / 詩 『 炎上』

<女高野・奈良室生寺にて>

「35本目の焼きとりの駅」歌詞カードより。
映画『吉原炎上』を見て作った歌。曲は『ドナドナ』で歌っていた。

             炎上
         作詩・藤本すすむ

     船が出る ふるさとの桟橋をあとに
     見送りの父と母 詫びるように手を振る
     行くは色街 地獄街
     浮世の波に さらわれてゆく
       Dona Dona Dona Dona 娘を乗せて
       Dona Dona dona Dona 月夜の晩に

     鏡には化粧した 長じゅばんの夜の花
     カサカサに荒れてゆく 肌と胸は泥の花
     ここは嘘街 涙街
     華やぐ灯りに 誰もが狂う
       Dona Dona Dona Dona 年季明けるまで
       Dona Dona Dona Dona 生きていたなら

     夜桜に惑わされ 哀しみの夢が咲く
     金銀の糸の帯 駒下駄を踏み出す音
     いつか私の 晴れ姿
     見せてあげたい あの人はどこ
       Dona Dona Dona Dona 娘の胸に
       Dona Dona Dona Dona 炎が上がる
| - | 05:40 | comments(0) | trackbacks(0)
苛立ちや憎しみのゴミ箱じゃないね 心は / 詩 『 誘惑 』

<バルセロナ、サクラダファミリー教会の壁面>

「35本目の焼きとりの駅」歌詞カードより
映画『キリストの最後の誘惑』を見て作った歌。

           誘惑
      作詩・作曲 藤本すすむ

   自閉症の言葉たちを 解きほどいてあげられる
   君がそこにいるだけで なまめかしい夜だから
   苛立ちや憎しみのゴミ箱じゃないね 心は
   美味い酒飲ませて 君の心なめさせて
     心の針が ゆら ゆら 揺れる
     心の針が ゆら ゆら 揺れる

   あの頃は良かったね 壊れた仲は戻らない
   君がそこにいるだけで 虫酸が走るよ今では
   思い出やわびしさの焼き場じゃないね 心は
   苦い酒さざめき 別の女が泳いでる
     心の針が ゆら ゆら 揺れる
     心の針が ゆら ゆら 揺れる

   苛立ちや憎しみの焼き場じゃないね 心は
| - | 05:07 | comments(0) | trackbacks(0)
なんて嬉しい肉の箱か / 詩 『 ピエロの唄 』

<ローマのストリートミュージシャン>

 「35本目の焼きの駅」歌詞カードより

            ピエロの唄
         作詩・作曲 藤本すすむ

   黙りこくっているときも 浮かれたおまえのおしゃべりが
   ずるさを吹き込む黒幕のように 何だかんだと口うるさい
 
   楽しくはしゃいでいたあの夜に ちょっと足りないお調子者と
   逆立ちしてあかんべぇするおまえがいたね グラスの中に

        ピ ピ ピエロ ピエロの唄
        ピ ピ ピエロ ピエロの唄

   つけあがった生意気な奴は 優しく褒めてたぶらかしてやれ
   もしも人生のボタン掛け違え 淋しい人には騙されてあげる

   なんて嬉しい肉の箱か なんてみだらな肉の箱か
   魔法の小箱に住みついた おまえの唄が あー愛しい

   もしも人生のボタン掛け違え 淋しい人なら騙されてあげる
        ピ ピ ピエロ ピエロの唄
        ピ ピ ピエロ ピエロの唄
| - | 04:36 | comments(0) | trackbacks(0)
酒が無くても情けあれ / 詩 『 南木曽 』

<ストリートミュージシャン:ベネチアにて>

 昨日の「ふらねこ」で語った「35本目の焼きとりの駅」の歌詞集から。
27才ころ、木曽路を旅したときの作品。


           南木曽(なぎそ)
         作詩・作曲 藤本すすむ

   歩きつかれた木曽路の旅は 南木曽の駅で野宿
   肩を叩いて起こした男 韓国訛りの酔っ払い
     缶ジュースひとつ差し出して 話し相手をしてくれと
     店はどこも開いてない もう一杯酒を
     酔い覚めの夜は長い もう一杯酒を

   口もとに唾 ふき出しながら 目を輝かせ話す
   昼汗流し 夜酒に流れ 飯場流れて三十年
     故郷も良くは無かったし だるい暮らしに耐えるだけ
     死ぬ思いで覚えた酒 たった一つの慰め
     酔う淋しさ知ってても たった一つの慰め

   レール軋ませ 夜汽車が行く
   木曽は山の中 夜明け前

   夜も酒も 昔連れてくる 苦い昔は物語
   行きずり同士 一夜を越すのに 酒が無くても情けあれ
     吸殻たまる足元に 近く聞こえる川の音
     こんなじいさん居たことを いつか思い出してと
     暗いねぐらに帰るよと 南木曽駅から消えてった
 
  レール軋ませ夜汽車が行く
  木曽は山の中 夜明け前

       木曽のなーあ なかのりさん
       木曽の御嶽山は 何じゃらほい
       夏でも寒い よいよいよい
       よいよいよいの よいよいよい

| - | 23:46 | comments(0) | trackbacks(0)
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