2007.08.24 Friday
人形劇団の話 3 / 詩 『ブルース流れるキャベツ畑』
<写真:劇団ろば・なめとこの熊>
「リズムの本質とは、時間を切るこである」
クラーゲス『リズムの本質』
(昨日のつづき)
なめとこ山の小十郎は、殺した熊を里の旦那ののところに売りに
行く。森では敵うものの無い小十郎も、里の旦那には全く意気地が
なく、いつも二束三文で毛皮を買い取られてしまう。
何年かして小十郎は、なめとこ山で熊を初めて撃ち損ね、熊に殺
されてしまう。熊は自分たちの仲間が死んだときのように小十郎を
葬り、小十郎がだまされ続けた里の旦那のところへ、その借りを返
しに山を降り里へ、かがり火を掲げ行進して行くのだ。
「奪われたものを取り戻す、それが本当の弔いだ」と。
私は三ヶ月を過ぎた頃から、大きなぬいぐるみに入り、なめとこ
山の熊になっていた。熊の演技にも少しずつ余裕が出てきて、物語
に感情移入し演技を楽しめるようになっていた。
現実の矛盾を提示するような物語に、すすり泣く子どもたちの声
が聞こえていた。
劇団主宰者のKさんからは、いろいろ教わった。「この本を読み
なさい」と一冊薦めてくれたのが、クラーゲスの『リズムの本質』。
音楽的要素の「リズム」について書かれたものだが、今でも、自分
の仕事・音楽・旅・卓球など、生活時間を効率よく使うために、意
識的に思い出す言葉である。リズムのある生活をしたい思うが、な
かなか出来ないでいる。
子どもの歌シリーズ、30代半ばの作品。
ブルース流れるキャベツ畑
作詩・作曲 藤本すすむ
ブルース流れる ブルース流れる キャベツ畑に
青虫モソモソ 青虫モソモソ おいらは貨物列車さ
重い涙は運べない 虚しいため息運ぶもんか
いつかヒラヒラ舞うなんて とても考えられないけど
幼い体引きずって 高い高い空見てる
ブルース流れる ブルース流れる キャベツ畑に
青虫パクパク 青虫パクパク キャベツ畑に
お腹はブクブク 体はコロコロ おいらは何でも食べちゃう
軽い笑いは乙なもの 切ないドラマも味なもの
いつかヒラヒラ舞うなんて とても考えられないけど
もうじきさなぎになる季節 この身をどこへ置こうかな
ブルース流れる ブルース流れる キャベツ畑に